1930sWEウエスタン黄金期 銀塗装 WESTERN コレクション ELECTRIC トランス ④ CHRISTOPHER PATENT番号入☆ Elan Vital

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商品情報



Man, being reasonable, must get drunk; / The best of life is but intoxication.

「人間は理性を持つ以上、酔わなければならない。最上の人生は、陶酔にほかならない。」

Byron( バイロン :1788-1824 )

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(文中、色文字をクリックするとLINK)

出品は、1930年代ウエスタン黄金期に製造された、かの有名な「 CHRISTOPHER(クリストファー)のトランス」と称される<Western Electric REP. 94E >コンディション抜群の個体2個。CHRISTOPHERとは BELL研究所 に在籍した米国人の物理学者 ARTHUR. J. CHRISTOPHERのこと。同時出品の ELMANトランス のGustaf W. Elmenとほぼ同時代の発明家。彼CHRISTOPHERが関与したWE音声通信トランスをこれ迄幾つも聴いた。WEトランス遍歴を続ける私のアイドルがこのCHRISTOPHERと、GUSTAV. W. ELMEN。「奇跡」を呼ぶキーマンである。パテントに彼らの名を見つけたら、何としてでもそのトランスを手に入れたいと思う。彼等が直接関与設計したトランスを手に入れると云うのは宝くじの一等を当てるに等しい。破格の高性能・高音質が保証される。彼らの創意工夫は時代を超越して見事である。機器には奇跡と呼びたいような効果が宿る。

トランスの出所は米国ローカルの軍用通信施設。老朽施設の解体に伴って放出された個体群。錆や埃の状態等から、解体後おそらく別の場所で長期保管されていたと想像する。2枚パネルには計10個体が付いていた。すべての個体にはCHRISTOPHERが関与するパテント番号(1824538/1708935)が印字されている。奇跡を担保する表象である。

まずは、その傑出した音パフォーマンスをご堪能あれ。 一部動画に混入する間歇ノイズはトランス後段でおこっているイヴェント。アンプ真空管のマイクロフォニック・ノイズ。機器ウォーミングアップが充分ではなかった由、ご容赦とご理解を頂きたい。

YouTubeに下記のパフォーマンス動画をUPした。(色文字をクリックするとLINK)

146 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : Carla Chamoun ♪ Masha"er


147 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : Soukayna Knadil♪ Machaer


148 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : Sherine & Elisa ♪ Mashaer


149 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : Nataly Dawn ♪ Comment te dire adieu


150 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : Larissa Manoela ♪Joo e Maria


151 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : ALBA ARMENGOU♪JOAO E MARIA


152 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : Connie Talbot ♪ Yesterday (The Beatles )


153 WESTERN ELECTRIC TRANSFORMER ④ performance test with : David Fray, J. Rouvier, E. Christien♪Bach: Concerto for 3 Pianos BWV 1063 III. Allegro


本品は、REPEATING TRANS(リピーティング・トランス)銀塗装である。 900Ω:900Ωという低インピーダンスラインに投入できるトランス。パーマロイ系コアだが直流抵抗値(DCR=50 ohm/50 ohm)は高め。同時出品の REP.108の直流抵抗値(DCR=7.7 ohm/9.9 ohm )と比較するとその差が音にも反映される。一般的に言うと同程度のインピダンス値のトランスの比較においては、 DCR値が高いほど音の傾向は「陰影濃く」なる。本品94Eはパーマロイ系コアのトランスにも関わらず、音質傾向はウエスタン旧来の純鉄系コアのトランス群に近いものを感じる。「切れ味鋭く、緻密でタイト」な響きは聴いての通り。108Aが「モダン」とするなら、本品94Eは「クラシック」な趣が有る。本品トランスがもたらす奇蹟、すなわち「窯変効果」をお楽しみいただきたい。

以下がカタログデーター。

REP. 94E

PATENT 番号

1824538

1708935

インピーダンス 基本 ( 900 ohm : 900 ohm )

*1次巻、2次巻共に2セクション巻。

*各セクション・コイルの接続使用を並列、ハーフ(半分)、直列にすることで「インピーダンスの変更」が可能。

*(225/450/900 ohm : 225/450/900 ohm)

*昇圧・降圧使用が可能。例えば、<225 ohm : 900 ohm>ならインピダンス比は<1:4>、巻線比=昇圧比は約2.0倍となる。 MCカートリッジの昇圧も可能。また、<900 ohm : 225 ohm>逆使いでラインへゲイン減衰信号を送ることも出来る。

DCR=直流抵抗値 ( 50 ohm : 50 ohm )

*以下は4コイル各タップ間の実測DC抵抗値

(2-1) (6-5) : (4-3) (8-7)

A個体 22.1 22.7 22.5 22.7

B個体 22.1 22.1 22.3 22.3

周波数レンジ VOICE レンジ

パフォーマンス・テストは以下のような手法で行った。

鰐口クリップ付きのWEワイアーでトランスと変換BOXとの間に「簡易配線」を施し、同時出品の 600Ω平衡伝送プリ 後段に投入している。600Ωプリのライン出力とのインピーダンス・マッチングの為にトランスのOUT側を1KΩの抵抗で終端している。100KΩハイ・インピーダンス入力の真空管アンプ(QUAD22プリ・TAPE IN)で受ける際にはこのような手当が音パフォーマンスの正否を決める。手当が有ると無いとでは評価の明暗が分かれる。トランスと云うものは、ただ投入しただけでは道具としての要件は成立しない。然るべき処置が施されないと反射効果によって音が暴れたり再生周波数が乱れたり、却って悪い印象や結果を招く場合がある。道具は使う理由や意味にこそ価値がある。正確な運用知識がなければ使いこなせないと心すべきである。何よりもトランスは各種環境電磁波を防ぐしっかりした鉄函のケーシングを施すべきである。アルミ材や木材は避けるべきである。然るべきケーシングをすると、音はよりハイスピードで鮮明になる。簡易配線はデモに過ぎない。簡易配線でも、これだけ良い音が出れば充分じゃないかとお考えの方は、富士山の頂上を目指しながら八合目で登頂を断念するに等しい。最高のパフォーマンス体験を目前にしながら機会を逸失している。トランスは鉄函に入れることが必須である。お間違えの無きよう。

いかにもマニアライクで実験的なこの 風体 は、嘗て1960年代のモータウン・レコード内の録音現場で見られたであろう光景そのものだ。黒人アーティスト達がレスポールのピックアップ信号をダイレクトにミキサー卓に送り込む際にラインに挿入していたのがWesternElectric製のRepeatingトランスだった。魁のアイデアと実験道具は発展途上であった。彼らは独自に目ぼしい道具(WEトランス等)をジャンク市や蚤の市で調達し録音現場に持ち込んだ。道具を替えてはその都度にわか配線を施し、その妙なる効果を確かめながら試行錯誤を繰り返しながらチャレンジを続けていた。録音エンジニアと音楽家が共同でユニークなオリジナル・サウンドを確立していった。後に「デトロイト・サウンド」あるいは「モータウン・サウンド」と呼ばれるようになった美しくディープな響の肝はライン・トランスの整音効果でもあったとされる。音楽録音にトランスを用いるこうした手法は全米各地の音楽シーンで模倣されていたようだ。ナッシュビル、フィラデルフィア、メンフィス、セントルイス、ニューオリンズ等々。ゴスペル系音楽を専門に流していた FM局でも放送施設の信号送り出しのエンドに WEのライン・トランスが整音目的で使われていたと言う。当時はライセンスの関係で開封禁止と記され、放送関係者であっても誰も中身を見ることが出来なかった謎めいた「ブラックボックス」内の本尊がそれ(REPトランス WEーREP111C)と分かったのは後年のことだったと云う逸話が残っている。アナログ・サウンドにライン・トランスを起用する歴史は古い。起源は、おそらくは1920年代終わりの「トーキー」から1930年代の「ハイファイ」の時代に既に実践応用されていたとみるべきだろうが、これについては裏ずける資料は残念ながら見付けられなかった。当時のウエスタンの秘密主義とライセンス契約の後遺症が理由だと思う。しかしながら、当時流行ったトランス結合アンプの見事な音パフォーマンスを実感できる者なら誰しもその手法の応用を考えただろう。現代でも市場に出回る玉数が多いせいもあって比較的手に入りやすいWE-REP111Cはデジタル録音現場で今尚重宝されているという話をよく聞く。お試しあれ。レスポールやボーカルの録音、マスタリング、そして DI BOXにも本品 WE108Aをおすすめする。プロのスタジオ・エンジニアや慧眼なら、108Aの音を聴けば、汎用的な安普請111Cの都市伝説のレベルの拙さがすぐに分かるだろう。比較は論外。歴然たる品格の高低差は成層圏から地上を見下ろすの感に等しい。1930年代黄金期のウエスタン機器は、今では想像できないくらいの「人・もの・金」が投入されていた。宇宙ロケット事業並みの資源と開発環境で本製品が作られていたのである。それが素直に道具の品格に反映されている。本物を手にして欲しい。

「銀」塗装されたトランス個体が全てウエスタン黄金期の1930~40年代の個体とは限らない。ご注意願いたい。「ウエスタン神話」が世界に蔓延すると当然後天的に贋作や偽物、偽装品の類も市場に流通拡散するようになる。これは世の常であり、致し方ない。擬似塗装のウエスタン個体が後を絶たない。大量生産品のグレーモデルに「錆止め」と称して、銀色や黒色の塗料で上塗り塗装された個体群が溢れているのが現状である。時には「 Western Electric MADE IN USA 」の偽物金色シールが貼られている。シールは中国製のコピー商品で、デザインも数タイプ用意され、5~10枚単位で安く手に入る。使用に際して、そのシールを年代に合わせ古く見せるために、擦ったり部分的にシールの欠損や剥がれ、汚れを演出するなどの手の込んだ手法が用いられることもある。型番が同じなら品質に大差ないだろうとは素人の考え。製造年代が異なれば投入素材の質やレシピも異なる、当然音も異なる。ウエスタン通のベテランマニアならば簡易実装配線して実際にその音を聴けば即座に当該個体の真贋の判断は出来る。しかしながら経験値を持たない素人では音を聴いても判断は難しいだろう。ましてやその外観だけで年代と真贋、偽装やエセ塗装の判定を求めるのは難しいと思う。これは経験を積むしかないだろう。ウエスタン機器・部品を取り巻く環境は誠に胡散臭く、いかがわしいと心すべきである。

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